眼球偏位への対応 その2

眼球偏位がある児について考えてみましょう。

眼球偏位が起きやすい状況は脳の活動が不安定だということですから、物事の理解・判断・記憶などの活動が不安定・不十分である可能性が高いということです。療育や教育の場面で、眼球偏位が起きにくい条件を整えて、そこでコミュニケーションを取りながら行うことの重要性が分かりますね。

一方眼球偏位は今までの研究で、姿勢・呼吸状態・体調と密接に関係することがわかっています。立位>座位(だっこ)>リクライニング位>臥位で、眼球偏位は増加します。ですから姿勢は臥位がベストです。

呼吸状態は、分泌物が多くゼイゼイと努力呼吸状態では悪化し、下顎を挙上したり,分泌物を吸引除去して楽な呼吸になると改善します。

怒られた後とかストレスがかかっている時や体調不良で悪化します。

以上の条件を考慮すれば、眼球偏位が多くアイコンタクトによるコミュニケーションの不具合を有する児は、しっかりコミュニケーションをとって、療育や教育の効果をあげるためには、臥位で楽な呼吸状態を保ちストレスを増やさないように、条件を整えることが重要です。

眼球偏位3の児は眼球偏位2の状態で、眼球偏位2の児は眼球偏位1の状態で療育や教育を受けさせ、正しい視覚の解析処理や脳の活動を繰り返させることで、心身の発達をより効率よく行うことができると期待できます。

そして療育や教育をおこなう側の者は、対象児が現在その時に眼球偏位を起こしているのかいないのかを、正確に判定してコミュニケーションを取らなくてはなりません。

この判定能力を養うためにも、重心眼科相談を活用してください。