重症心身障害児(重心児)の療育を考える

 

重症心身障害児の療育の基本
重心児の特徴
基礎疾患が何であるかより、freezeの程度によって発達の程度が左右されると考えられる。
freezeとはなにか
freezeとは、対象が与えられた刺激に対して無反応な状態といえる。無表情な顔・動作の止まった状態・不随意に動く肢体・瞬目が止まる・眼球の偏位など刺激に反応する感覚系の活動が停止しているなどの異常なことを示している。 この状態の時は対象は外からの刺激を受け付けない状態である。よってこの状態の時に訓練を行うことは無意味である。生後よりfreezeが多い対象に対して主治医がPTやOTに訓練の指示を出すことが多い。指示を受けた経験の少ないPTやOTはfreezeの無い対象と同様の訓練を行おうとすることが多い。
ところで現在freezeについてわかっていることは、姿勢と呼吸状態と体調に関係していることである。freezeの頻度は臥位で最も起きにくく、抱っこ・坐位・立位にするほど増加する。また呼吸状態が悪くなると増加し、下顎を挙上することで気道をを確保したり、分泌物を吸引除去することにより減少する。
このことから考えれば、freezeの起きやすい症例に、freezeの無い症例と同様の訓練を行い不安定な姿勢を強要することはfreezeを増加させることになる。
freezeのある乳幼児で重要なことは、まずfreezeを起こさないように、臥位でリラックスできる安静な状態を確保し、初期の脳神経系の正常な発達を待つことである。この脳神経系のより正常な発達が、次の段階の基本となるからである。 現在広く行われているfreezeの無い症例と同じ訓練は、freezeのある症例にとって将来伸びることが期待できる発達を著しく阻害する可能性があることを強調したい。また保護者は発達を促すために体を動かして刺激を与えることを望むことが多い。しかしfreezeのある症例は、それだけ脳神経系の発達が遅れており脆弱性を有することをしっかり理解することが大切であり、特に早期において、より慎重に基本の脳神経系の発達を優先することが重要である。
ではfreezeのある症例の訓練はどうあるべきか。
まず主治医は入院中もしくは退院後早期に訓練の指示をするべきである。
依頼を受けたPTやOTはfreezeの特徴や頻度、姿勢による変化を観察して記録する。このことを主治医や関係者および保護者に周知徹底することである。 freezeのある対象の状態がいかに不安定で脆弱かということを保護者に理解させる必要があり、責任は重大である。
また定期的に観察して対象の変化を記録報告することは重要であり、現在の訓練時間で評価されるシステムを改善し、短時間でも高い評価が与えられることが望まれる。
初期目標は、対象がfreezeの無い時に関係者と視線を合わせて相手を認識し、さらに相手の動きを追視などの探索行動をおこすようになることである。
この時点から、関係者はfreezeのある時と無い時の反応を理解し、対象との訓練内容を工夫していくことが重要である。freezeの起きにくい姿勢。呼吸状態をを確保しながら、目標の発達を導く訓練計画を開発していくことが主になる。